65歳の男性。舌縁に発生した腫瘤を主訴として来院した。1か月前から気付いていたが、痛みがないため放置していたという。圧迫により退色を認める。口腔内写真(別冊午前 No.3)を別に示す。矢印で示す病変の主体と考えられるのはどれか。1つ選べ。
1→圧迫により退色を認めること、写真は暗紫色の腫瘤で、疼痛が無いことから血管腫が考えられる。血管腫は多数の血管の奇形である。
2→疼痛が無い点は増生した線維の可能性もあるが、写真は暗紫色の腫瘤であり、増生した線維はもっと白色に近い色調を示す。
3→上皮は人体の表層を覆う組織である。この症例は外向性の暗紫色の腫瘤が主体であるため、菲薄化した上皮が主体ではない。
4→メラニン色素沈着は、ガラス板を押し付けても色調に変化は無い(退色性)。