61歳の男性。左側顔面の痛みを主訴として来院した。5日前から左側顔面に強度の神経痛様疼痛を自覚し、2日前から左側の顔面皮膚と口腔粘膜に限局した水疱が出現したという。4歳時に水痘に罹患した既往がある。顔貌写真(別冊午後No.7)を別に示す。
考えられるのはどれか。
1→現病歴から異なる。麻疹は口腔内ではコプリック斑が知られており、2峰性発熱が有名である。
2→天疱瘡は、自分の上皮細胞を接着させる分子に対する抗体により、皮膚や粘膜に水疱やびらんを生じる自己免疫性水疱症である。
3→帯状疱疹は、水痘帯状疱疹ウィルスの再起感染によって起こる。両側ではなく片側に限局して症状が出る事が知られている。
4→手足口病はコクサッキーウィルスA16、エンテロウィルス71などが原因とされる。左右どちらかに限局した水疱形成は可能性として低い。