34歳の男性。歯肉の疼痛を訴えて来院した。3日前から歯肉に強い自発痛と接触痛を感じているという。現症として38.2℃の発熱と強い口臭を示した。初診時の口腔内写真(別冊午前No.6)を別に示す。疑われるのはどれか。
1→薬物性歯肉増殖症は特定の薬剤(フェニトイン・ニフェジピン・シクロスポリンなど)を服用している患者に認められる。口腔内写真において歯肉の増殖は認められない。
2→慢性剥離性歯肉炎は原因が不明瞭で更年期の女性に多く、口腔粘膜での偽膜形成が認められる。偽膜が剥離しやすいため、患者が擦過痛を訴えることがある。
3→アレルギー性歯肉炎は金属・レジン製の修復物や補綴物の辺縁に歯肉炎が認められる。
4→口腔内写真では上顎前歯の歯間乳頭や辺縁歯肉に壊死が生じ、歯肉の自発痛、接触痛、発熱、口臭が認められることから、壊死性潰瘍性歯周炎が疑われる。