1→ダウン症候群は21番染色体のトリソミーにより生じる先天性の疾患である。身体的特徴や知的障害を伴う。口腔顎顔面領域においては、上顎劣成長、高口蓋、乳歯や永久歯の萌出異常などがみられる。
2→クルーゾン症候群は頭蓋骨の早期癒合により顔面の骨が正常に発育しない疾患である。この症候群の特徴としては、突出した眼球、平坦な顔面、広がった鼻の形状がみられる。口腔領域では高口蓋、口蓋裂、上顎骨低形成がみられる。
3→Ramsay Hunt症候群は顔面神経麻痺と耳痛、皮疹を主な症状とする疾患である。帯状疱疹ウイルスの再活性化によって引き起こされる。先天性の病態ではなくウイルス感染による後天性の疾患であり、口腔顎顔面領域の先天異常とは無関係である。
4→Plummer-Vinson症候群は鉄欠乏性貧血、食道の狭窄、口腔内症状を特徴とする。後天的な要因によって発症する疾患であり、先天的な口腔顎顔面領域の異常とは関連がない。